演若達多 失却頭

演若達多失却頭
【演若達多(えんにゃだった)、頭(こうべ)を失却(しっきゃく)す】

今月から禅語の紹介をしてみようと思います。ちょっと難しい漢字が出てきますがお付き合いください。

むかしインドに演若達多(エンニャダッタ)という大変な美男子がいました。今風に言うとイケメンです。毎日自分の姿を鏡に写して見るのを楽しんでいました。ある日いつものように自分を鏡で見ようとしましたが、首から上が映っていません。少しかがめばちゃんと頭も映ったのですが演若達多は悪魔の仕業と恐れて町中を走り回ります。
 愚かさの例えとして使われていますが、私達も大切なことを見失わないようにしたいものです。

この禅語を法蔵寺の掲示板に掲げていた時に、ちょうど大工さんが来ていました。一人の若い大工さんがミスをした様ですが、それを見ていた先輩大工さんが「お前は 演若達多失却頭だ。」と言っていました。先輩の大工さんはその日の仕事前にお寺の掲示板を読んでいたのですね。若い大工さんは「先輩は物知りですね。」と感心していました。

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