天平のパンデミック

WHOがコロナウィルスによるパンデミック宣言をしました。
もとい、
パンデミックと”見られる”という宣言をした様です。
本来のパンデミックは感染者数が世界の人口の20~30パーセントが感染すると考えられるそうです。
現在のコロナ感染者数は12万くらいなので感染者数は0.002パーセント(人口60億とした場合)になります。
しかも回復者は66,000人を超えています。
なぜWHOが今この時点でパンデミックという表現を使ったのか私には分かりません。

天平9年(737)、疫病の大流行はこんなものではありませんでした。
原因は疱瘡(天然痘)と言われていますが、実際は史料に明記されているわけではないそうです。
この時、公卿の三分の一が感染して死亡したと言われています。
環境や栄養状態のことを考えると庶民は半数近くが亡くなった可能性があるそうです。

今のような知識や治療法、感染予防マニュアルがなかった時代、人々はなす術もなく、快癒を祈りながら思いつく限りの対症療法を施すしかありませんでした。
これにより藤原氏の勢力は大きく後退し、聖武天皇を中心に橘諸兄などによる皇親政治が始まります。

またこの時代は大地震、飢餓、火山の噴火など、ありとあらゆる災害に見舞われます。

この様な恐ろしい事態の中で聖武天皇は深くその責任を感じ、「責めはわれ一人に在り」と述べています。
この聖武天皇の態度は非常に素晴らしいと思います。
今の時代にこんなことを言える政治家や指導者がいるでしょうか・・・。
そして仏教に救いの道を求め、大仏建立の勅を下されます。
その願いの強さが大仏の大きさに現れています。
ちなみに大仏の本当の名前は毘盧遮那仏といい、
人間ブッダを超えた法身仏として宇宙の真理を全ての人に照らし、悟りに導くとされ、密教における大日如来と同一視されます。

天皇みずから土を運ぶなどして、ついに大仏は開眼されます。

聖武天皇やその妃である光明皇后の平和への祈りに、
現代の人も学ぶことが多くあると思います。

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