猫の妙術

書評です。
江戸時代の剣術の本ですがとても面白いです。
一匹の大ねずみを捕まえようと、
技に長けた黒猫、
気で相手を動けなくする虎猫、
相手に寄り添いながら操縦する灰猫、
など腕に自信のある猫たちが大ねずみを捕まえようとしますが、
いずれも失敗します。
そして最後に古猫がよぼよぼとねずみに近づいて、
いとも簡単にねずみを捕らえてしまいます。
その後、猫たちは古猫からねずみ捕りの奥義を教わります。

この本は昔、剣道日本にも紹介されていましたし、
有名な本なのでちょこちょこ引用されます。
でも、ちゃんと読んだのは初めてだったのでとても面白かったです。

禅と老荘思想をベースに剣術の奥義を、
しいては生き方の奥義を教えてくれます。
勝ち負けを捨てたところにある境地ですね。
スポーツや仕事、その他なんにでも応用できる深い話です。

正直、最後の古猫の言っていることは僕もよくわからないけど、
松下幸之助の「雨が降ったら傘をさす」を思い出しました。
素直な心は自然と道理にかなうものです。

新釈 猫の妙術 武道哲学が教える「人生の達人」への道
佚斎樗山
高橋有=訳・解説
草思社
1300円+税

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