建長汁にみる禅の真髄

建長汁の発祥は鎌倉の建長寺です。
建長寺ではこの汁を開山である蘭渓道隆によって中国から、
伝来されたものだと言い伝えられています。

ある時、精進料理を作っていた修行僧が豆腐を落としてしまい、
それを見ていた開山さまはその豆腐を丁寧に拾い集めて洗い、
調理した汁の中に入れたといいます。
落とした豆腐も生かして使われたということから、
建長寺の建長汁は今でもくずして入れるのです。

ここに禅の真髄があります。
材料の野菜も、ほかの料理に使った余りものを
すべて生かして使う。
材料を無駄にしないで使い切る。
物の命をすべて生かす。
建長汁の中に自分の命も、他の命も生かしていこうとする
禅の心が込められているのです。
       参考:建長寺と鎌倉の精進料理 文/高井正俊

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