亡くなって最初の七日間、
この間に死出の山という山を超えます。
死後に山を越えるというのは日本神話にも見られます。
現世と黄泉(よみ)の国の境界にある黄泉比良坂(よもつひらさか)がそれです。
そして山をこえたところにある三途の川に辿り着くのも初七日だと言われています。
死後に川をわたる話はギリシャ神話のステュクス川やオリエント神話などでも見られます。
生と死という大きな境界線の象徴して山や川が出てくるのだと思います。
ただ、単なる象徴というだけでなく、
臨時体験で三途の川を見るという人は結構多くいるようです。
初七日では十王の最初である秦広王(しんこうおう)の裁きを受けます。
この段階ではまだ書類審査の段階だと言われますが、
特に仏教における五戒を審理するそうです。
五戒とは、
・不殺生戒(殺生をしてはならない)
・不偸盗戒(盗みをしてはならない)
・不邪淫戒(不貞をしてはならない)
・不妄語戒(嘘をついてはならない)
・不飲酒戒(お酒を飲んでははならない)
です。
この基本的な戒ですが、
これを全てを完璧に守るのは非常に難しい…と私は思ってしまいます。
ただし、無理だとあきらめるのではなく、
自分の欲望というものに振り回されない為にもこの五戒を一つの指針とすることは良いことだと思います。
もともと戒とは自分を律する為の内面的な道徳規範なのですから、
最近少しお酒を飲みすぎてるなぁと思ったら、
いかんいかんと自己制御をする為の規範として頂けたらと思います。
何の規範もなく欲望のままに生きていたら、
それはやはりだんだん人間というより動物に近くなってきますので、
時に欲望を抑えたり、コントロールすることは重要です。
そして、
秦広王はまた不動明王の化身でもあります。
強面(こわもて)の裁判官から厳しい裁きを前にすると、
時に畏怖して心折れそうになりますが、
そういった厳しい裁きもまた仏の大きな大きな慈悲であることを知るべきなのです。
…まぁ、不動明王様も強面ですが。
この記事へのコメントはありません。