追善供養とは亡き人の死後の幸せを祈り、
生きている人が亡くなった人の冥福を祈って行う供養のことを言います。
その為に”善を追う”と書きますが、
生きている人が善行に勤めることで、その功徳の力を亡き人に回向(えこう)することを言います。
お経にはすごい功徳の力があり、
その功徳の力を亡き人に振り向けることが回向です。
そしてその結果はお経を読んだり、法事をした人にも徳となって戻ってくると言います。
この追善や回向ということの根底には、
因果の理法というものがあります。
ここを理解しないと、はにゃ?となってしまうと思います。
つまりそれは、
善因善果、悪因悪果と言われるように、
良い原因があると良い結果が表れ、
悪い原因があると悪い原因が表れるというものです。
ここで大切なのは”心の良し悪し”という原因が結果に結びついてくるということです。
これが不思議なのですが本当に良い心で良いことをすれば良い結果が返ってくるのです。
この原因結果の法則というのは普遍の法則なのでビジネスにももちろん応用できます。
ジェームス・アレンという人が書いた「原因い結果の法則」という本は、
自己啓発本の原点だと言われて、現代でも多くの読者がいます。
京セラの創業者でJALの再興などで知られる稲盛和夫さんなどもこの原因結果の法則を強調しています。
その結果は単純にお金として戻ってくるというわけではありません。
素晴らしい人格として戻ってきたり、人望や家族との幸せという形で戻ってくることもあります。
お経を読んだり、
その他善行を行って、
その結果として降り注ぐ功徳の力を、
自分ではなく、
愛する人の為に捧げようという無私な心、
それがまた功徳となって自分自身にも戻ってくるということです。
経典の中には、
お経を読むことは大変な功徳があり、
ガンジスの川の砂ほどの宝物をお寺に寄進するよりも、
ずっと功徳があると言われています。
しかし、
そんなすごいお経にも劣らないほどの功徳のあることは、
残されたご家族が手を取り合い、前を向き、共に明るく生きていくこと。
その姿を見て故人も、
「あぁ、自分の家族は大丈夫だ。これで私も安心してこの世を去れる」
そう思って成仏できるのではないかと思います。
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