亡くなった人は十王と呼ばれる十人の裁判官によって三回忌までに十回の裁判を受けるという。
有名な閻魔大王もこの中の一人に含まれます。
裁判は大変厳しく、
生前のあらゆる悪業を審判されるるという。
もう、それはめちゃんこ厳しい。
生きて罪を犯したことのない者はいないと思うのですが、
そんな抒情酌量はありません。
そして最終的な次に生じる世界が決まると言われています。
その後の審議として、
七回忌、十三回忌、三十三回忌と三人の裁判官の導きを受けると言われています。
これで合わせて十三回となります。
これらの厳しい裁判官、まるで地獄の王様のように思ってしまいますが、
実は慈悲あふれる仏様であり、
私たちの魂を救うためにこのような厳しい姿であらわれているのだそうです。
それぞれの裁判官である王の本地として十三の仏様がいらっしゃるのです。
十三仏思想は結構複雑で、時代によっても多少違っていたりします。
インド由来の思想ではなく、中国に仏教が入って十王信仰となり、
それがまた日本に入って発展していったということで、なかなか理解が難しいです。
ただ、私なりにざっくりと言ってしまえば、
“亡くなった方は生前の罪の裁きを受け、罪を償い、心の垢を落とし、
そしてまたその心境に応じた世界に帰っていく”となります。
京セラの稲盛和夫会長が「生き方」という本を書かれていますが、
その中で「因果の帳簿はきちんと合う」と言っています。
微細にわたる悪業の審判とはこの法則のことを言うのだと思います。
こういった死後の考え方そのものはお釈迦さまの時代からありますし、
世界のいろいろな宗教でもよく見られます。
大切なのは生前から悪いことをなさず良いことをして、
罪は心から詫び、
信仰をもって死を迎え、
残された人も故人の死後の幸福を祈ってあげる、ということだと思います。
以下、十三仏とその対応表を書いておきます。
・審理 ・十三仏 ・裁判官
初七日(所願忌)………………不動明王………………秦広王(しんこうおう)
二七日(以芳忌)………………釈迦如来………………初江王(しょこうおう)
三七日(洒水忌)………………文殊菩薩………………宋帝王(そうていおう)
四七日(阿況忌)………………普賢菩薩………………五官王(ごかんおう)
五七日(小練忌)………………地蔵菩薩………………閻魔王(えんまおう)
六七日(壇弘忌)………………弥勒菩薩………………変成王(へんじょうおう)
七七日(大練忌)………………薬師如来………………泰山王(たいざんおう)
百箇日(卒哭忌)………………観音菩薩………………平等王(びょうどうおう)
一周忌(小祥忌)………………勢至菩薩………………都市王(としおう)
三回忌(大祥忌)………………阿弥陀如来……………五道転輪王(ごどうてんりんおう)
七回忌(休広忌)………………阿閦如来………………蓮華王(れんげおう)
十三回忌(称名忌)……………大日如来………………祇園王(ぎおんおう)
三十三回忌(冷照忌)…………虚空蔵菩薩……………法界王(ほういかいおう)
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