花祭り(降誕会・灌佛会) 五月八日 午前十時〜
お釈迦様の誕生日は四月八日ですが、法蔵寺では他の行事と同じ様に、一月遅れの五月八日にお祝いします。灌仏会ともいい甘茶を注ぐのは、誕生の時、龍が甘露の水を降らしたという言い伝えによっています。
お釈迦様はヒマラヤ山麓が広大なインド大平原につらなるあたり、現在のネパール領にあったシャカ族の王子として、その父である浄飯王(スットーダナ)と母親である麻耶夫人(マーヤ)の間にお産まれになりました。
麻耶夫人は浄飯王と結婚されてから十数年間、子供に恵まれなかったそうです。 そんなある日、麻耶夫人は不思議な夢を見たそうです。
なんと牙が六つもある白い像が寝床を三度右回りにまわって夫人の右脇から身体に入ってくる不思議な夢を見て、そのすぐあとに子供ができたことがわかったと伝えられています。
その後、麻耶夫人は出生の為に自分の故郷であるコーリヤ国に帰る事になりました。その道中、ルンビニーの園という場所で突然麻耶夫人は産気づきまして、白い像が入って来た右脇から王子を出産されたといいます。
この時、お産まれになった王子は、すぐさま自ら七歩を歩いて、右手で天を左手で地を指差して「天上天下唯我独尊」と声高らかに誕生を宣言したといわれています。
この「天上天下唯我独尊」という言葉は諸説ありますが、無垢清浄の一声であり、あらゆる分別心にとらわれない天地いっぱいに響き渡る無心の一声であったといえます。
また仏教では地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の六つの迷いの世界を生まれ変わり死に変わりしておりこれを六道輪廻といいます。七歩というのはつまり6プラス1で迷いの世界を抜け出るという意味だとも言われています。